分社化する形

分社化する形で会社設立をするメリットとは

「会社設立」というと、殆どの人が連想するのは「新しく会社を作る」ということになります。

会社設立という言葉は確かに定款を作り、会社設立をする手続きを行って新しい会社をつくるということで間違いはありません。

ですが実際に会社を設立すると言っても、そこに至るまでの経緯は一つではないのです。

今まで会社設立をしたことが無かった人によって新しく会社設立がされるというのは現在でも非常に多いのですが、これとは別のパターンの会社設立として考えられるのが「分社化」によって生まれるものとなります。

では「分社化」とはどういったものなのかというと、これは「既にある会社から資産や事業などを引き継ぐ形で会社を設立する」というものです。

この形による会社設立が行われるということはさほど多くなく、行われるとすればかなり規模の大きい会社や、別の分野で活動をしてきた団体によるものが殆どとなるでしょう。

さて、それではこの分社化を行うことのメリットはどこにあるのかと言うと、まず最も大きなメリットとなるのが「成果や責任の所在を明らかにできる」ということです。

一つの会社にいくつかの部門があり、それぞれが利益を上げているというような状況になると、時としてそれぞれの部門はどれだけの成果を有しており、またどれだけの責任を負うべきなのかと言うことがわかりづらくなってしまいます。

わかりづらくなったせいで即座に会社の経営に悪影響が出るということはほとんどないのですが、そうした状況が続くと会社経営における成果と責任の所在が曖昧になってきてしまいます。

そうした状況で分社化を行うと、それぞれの部門を独立させることが可能となりますから、成果と責任の所在をはっきりとさせることができるようになるのです。

また「リスク管理」という部分でも大きなメリットがあります。たとえ元々が一つの会社であったとしても、分社化の手続きが完了しているのであればそれは法的に別の企業であるとして考えられます。

分社となった企業が何らかの違法行為を行っていたり、分社となる以前から継続した問題があったというような場合には親となる企業が責任を負うこともありますが、それ以外の場合であれば親となる企業に対して責任が遡及するということはほとんどありません。

また統合されている状態である部門の収支状況が悪化したというような場合、その経営悪化は企業全体に悪影響を及ぼしますが、分社となっているのであればそれぞれは独立した収支として考えますから、この場合も親企業に悪影響が出ることが無いのです。

また関係上は親会社が子会社に対して出資をしているという立場であっても基本は有限責任となりますから、出資範囲内の責任さえ負えば問題はありません。

分社と言う形で会社設立を行うことにはこうした意味があります。

企業規模がある程度大きくなってきたのであれば、検討する価値があるでしょう。

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